この日の東京は、まぶしいほどの快晴でした。春とは思えない陽射しに、夏の気配すら感じるような一日。
会場には100人近くの人が集い、それぞれが自分の中にある問いを抱えて、静かにその時を待っていました。
Minamoto no Oto(旧ミヒワカ対話会)は、華やかさを求める場ではありません。あたたかく、誠実で、ひとつひとつの問いに、丁寧に灯りがともされていくような、そんな時間です。
このMinamoto no Otoは、「相談者の問いにWAKANAさんが答え、それを受け取ってミヒロさんが“問い”を置く」という流れで進んでいきます。ただ答えを求めるのではなく、そこから自分自身の深いところと向き合う“対話”が生まれていきます。
どんな問いにも「すぐに答えを出さなきゃいけない」というプレッシャーはなくて、ただ「それを抱えている自分」をそのまま受けとめる場。それが、どれほど安心をもたらすかを、私は深く感じていました。
それぞれの人生のタイミングや立ち位置は違っても、共通していたのは、「自分自身の声と、もっと深く出会いたい」という気持ち。不安や迷いの奥にある「本当の願い」や「魂の響き」に、そっと手をのばしていくような時間だったと思います。
対話の中で交わされた声たち
「自分を評価できない私」・・・人の反応で自分の価値を感じてしまう。自己評価が難しく、他人軸から抜け出せない
WAKANAさんからの音:幼少期からの自己抑圧の癖に気づき、「おかげさまを探す」ことで外側から内側への転換を。周囲のありがたさを感じて表現していくことで、自分の中の光にも出会っていける
どんな「おかげさま」がありますか?
「見えない力を信じたい私」・・・見えない存在を感じながらも信じきれず、祖母との絆を感じたいが、方法が分からない
WAKANAさんからの音:「見える」とは人によって違う。自分にとっての“感じる・見える”を見つけることで、確かな繋がりが芽生えてくる
自分にとって「見えるもの」はなんですか?
「選びきれない私」・・・やりたいことがたくさんあるけれど、一つに絞れず迷っている。絞れと言われるほど苦しくなる
WAKANAさんからの音:自分を「ダメだ」と思って止めてしまう声に気づき、まずはその声と仲直りを。焦らず、今いる場所でエネルギーを整えていくことが大切
自分で自分に「ダメだよ」と言っていることは、なんですか?
「楽しい指導をしたい」・・・現場では楽しいだけでは難しく、制度や数字と理想の間で揺れている
WAKANAさんからの音:数字の中に人の命や関係性を見る視点を持つことで、温もりのある関わりが可能になる。「時間や数字」も慈愛のまなざしで見直していく
数字の中に隠れているものは、なんですか?
「やりたいことが見つからない私」・・・資格や行動はしてきたが、結局何がやりたいのか分からず、迷子のまま
WAKANAさんからの音:まず「止まる」こと。焦って動くのではなく、立ち止まることで“腹の声”が聞こえてくる。その声を信じることが、次への一歩になる
止まれますか?
「私はこれから、何者として生きていくのか」・・・多くの経験を経て、今こそ自分の役割を明確にしたい。でも、経済的現実や家族の声に揺れてしまう
WAKANAさんからの音:「内的世界の役割」を全うすることで、「外的世界の役割」が現れる。過去の許せないことがあるなら、それを許し、感謝するプロセスが自分のエネルギーを解放していく
振り返って、許してあげたいことはなんですか?
光の余韻のなかで
今回のMinamoto no Otoを通して、私はまたひとつ、自分の心に灯る光を見つけることができました。
問いとは、誰かに答えを出してもらうためのものではなく、「今ここの本当の声と、静かに出逢う扉」。
わたしたちは「問い」によって、今この瞬間の自分の心と対話し、「答え」ではなく「感覚」や「兆し」を受け取っているのだということ。
だからこそ、この場は特別で、あたたかい。
誰かの言葉と声が、自分を照らしてくれる。そして、次の問いをまた、自分の中に置いていく。
これから先も、迷うことがあったとき、道の途中で立ち止まりたくなったとき、この日の対話で受け取った「問いたち」に、また会いに来たい。
そんなふうに思える、やさしい光のような時間でした。
対話から生まれた「問い」一覧 & レポ
- どんな「おかげさま」がありますか?
- 自分にとって「見えるもの」はなんですか?
- 自分で自分に「ダメだよ」と言っていることは、なんですか?
- 数字の中に隠れているものは、なんですか?
- 止まれますか?
- 振り返って、許してあげたいことはなんですか?
今後はパリ&バルセロナにて開催です!